友情結婚の離婚率って?理由と円満に続けるためのヒント

友情結婚とは?簡単におさらい

まず、「友情結婚」とは何でしょうか?簡単に言うと、恋愛感情や性的関係を持たない友人同士が、お互いの合意と信頼に基づいて結婚することです。

男女がお互いに恋愛感情はないものの、「友情」によって婚姻関係を結ぶスタイルで、ビザ目的や金銭目的だけのいわゆる偽装結婚とは異なります。

特に日本ではLGBTQの方々が、異性に恋愛感情を抱けないけれど世間体や親への安心、家族を持ちたい願望などからこの形を選ぶケースが多いようです

どういう状況なのかわからないけれど、とりあえず並べたらおしゃれなんじゃね?という八郎の悪巧み

友情結婚自体は決して新しい現象ではなく、日本だけのものでもありませんが、近年メディアやSNSで当事者の発信が増えたことで注目度が高まっています。価値観の多様化した現代だからこそ生まれた結婚の形とも言えます。

では、友情結婚をした夫婦の実際の生活はどんな感じなのでしょうか?一例として、友情結婚をした日本人女性の声をご紹介します。その方は「恋愛感情はないし、関係はルームメイトのようにドライだけど、お互い大切な存在」と表現しています。日常生活では平日は別々に過ごし、家事やお金も折半でまるで仲の良い同居人のよう。でも周囲からは正式に「結婚した人」として扱われることで、独身のときより心強さが増したとも語っています。このように、恋愛はなくともパートナーとして支え合える安心感や社会的承認を得られる点が、友情結婚の大きなメリットの一つと言えるでしょう。

友情結婚の離婚率はどのくらい?

友情結婚では離婚しやすいの?——気になるポイントですよね。残念ながら、友情結婚者だけを対象にした離婚率の公式な調査データは見当たりません。とはいえ、まず日本全体の離婚傾向を押さえておきましょう。現代日本では「3組に1組が離婚する時代」とも言われ、決して離婚自体は珍しいことではありません。実際、恋愛結婚の約4割が離婚に至る一方で、お見合い結婚の離婚率は約1割程度というデータもあります※1。恋愛結婚は盛り上がった感情ゆえのギャップで離婚に至りやすく、逆にお見合い結婚は事前に条件をすり合わせている分、離婚率が低めだとも考えられているのです。友情結婚はどちらかと言えば後者に近く、実際に経験者からも「非常に満足している」という声が多く離婚に繋がる可能性は低いという評価もあります。

しかし一方で、異なる見方もあります。友情結婚には恋愛による強い情愛や「惚れた弱み」がない分、問題が起きたときに未練なく離婚を選びやすいとも言われます。実際、恋愛感情がない夫婦は共働きで経済的にも自立している場合が多く、「嫌なら別れる」というハードルが低い側面は否めません。ある結婚相談所のブログでは、「友情結婚の方が通常よりも離婚率は高く」、その原因も性格の不一致やDV・モラハラ、金銭問題など一般的なものだが泥沼化するケースも多いと紹介されています。

要は、友情結婚だから特別に安定しているとも、一概に脆いとも言い切れず、結局は当人同士の関係構築次第だというのが実情でしょう。

なお、MITRAスタッフの知人・友人の中で友情結婚して離婚した人の割合は35%。婚約破棄率は40%となっています。
これはあくまでMITRAスタッフの知人・友人の話であり、公式なデータではありませんが、ご参考になれば幸いです。

友情結婚で別れてしまう主な理由...

では、友情結婚で離婚に至ってしまう場合、どんな理由が多いのでしょうか?実際の事例や専門家の意見から、よくある離婚原因を挙げてみます(基本的には一般の結婚の離婚理由と大きくは変わりません)。

  • 性格や価値観の不一致: 夫婦の性格・人生観が合わず、一緒に生活するうちに衝突が増えてしまうケースです。これは恋愛結婚でも離婚原因のダントツ1位であり(浮気よりも多いのです!)、友情結婚だけの特殊な問題ではありません。お互い良い人でも、生活リズムや金銭感覚、将来プランが合わないと徐々にストレスが蓄積してしまいます。
  • コミュニケーション不足・思いやりの欠如: 結婚前は目的達成に向けて熱心に話し合っていても、結婚後に安心してしまい日々の意思疎通や相手への気遣いがおろそかになると危険です。不満があっても伝えず我慢を重ね、限界が来て一気に爆発…という最悪のパターンに陥りやすくなります 。友情結婚は恋愛の「好き」という潤滑油がないぶん放置すると関係修復が難しいため、普段からの対話と思いやりが欠かせません。
  • 子どもに関する意見の対立: 子どもを持つか持たないか、その方法やタイミングについての食い違いです。例えば「子どちは欲しいけど体の関係は持ちたくない」という前提で結婚したのに、いざとなったら自然妊娠を望む男性側と人工授精を希望する女性側で対立してしまったという具体的な例もあります。子ども絡みの問題は人生観にも関わるため、深刻な溝になりがちです。
  • 他のパートナーを巡るトラブル: 友情結婚ではお互いが恋愛関係に口出ししない「オープンな関係」に合意していることも多いですが、とはいえ家庭の外にいる恋人やパートナーの存在が原因で揉めるケースも聞かれます。例えば相手の恋人への嫉妬や、家庭と外部パートナーとの優先度のバランスなど、取り決め通りにいかないと不信感が生まれてしまいます。
  • 金銭感覚の違いや金銭トラブル: お金の使い方や貯蓄に対する考え方の違いも離婚理由になり得ます。共同生活では生活費の分担や家計管理のルール決めが必要ですが、その取り決めを守らなかったり金銭問題が発生すると大きな亀裂につながります。特に共働きで別会計にしている場合でも、大きな支出の判断などで衝突する可能性があります。
  • DV・モラハラなど深刻な問題: 稀ではありますが、家庭内暴力(ドメスティックバイオレンス)やモラルハラスメント(精神的虐待)の問題が起きて離婚に至るケースも皆無ではありません。身体的な暴力にまで発展する例は少ないようですが、言葉による暴力や過度な干渉で相手を追い詰めてしまい、信頼関係が崩壊することがあります。
  • 信頼関係・絆が築けなかった: 恋愛感情がない分、「この人と一緒に生きていくんだ」という確かな絆を持てずに終わってしまうケースです。友情結婚では放っておけば互いをつなぐ絆があいまいになりがちなので、結婚後も意識して信頼関係を深めていかないと関係が希薄になってしまうことがあります。逆に言えば、最初は友人関係でも夫婦としての信頼をしっかり築ければ離婚のリスクは下がるでしょう。

以上のように、友情結婚の離婚理由は「性格の不一致」「価値観のズレ」「コミュニケーション不足」など基本的には一般の夫婦と共通するものが多い印象です。ただし、恋愛感情がないことで問題が顕在化しやすい(隠し事をしても絆でカバーできない)とか、逆に恋愛のしがらみがないぶん決断がドライに下されるといった特色があるようです。それでは、こうした離婚の危機を避けるにはどうすればいいのでしょうか?

友情結婚を円満に続けるためのコツ

友情結婚とはいえ大事なパートナーとの結婚生活、できれば離婚は避けて末長く円満に過ごしたいですよね。
ただでさえお相手を探すのが大変なこの結婚のカタチなのですから。
最後に、友情結婚で離婚を防ぐための実践的な工夫やコツをいくつかまとめます。どれもカジュアルで現実的なアドバイスなので、ぜひ参考にしてみてください。

  • 定期的に腹を割って話し合う: 友情結婚では意識的に「夫婦会議」の時間を作りましょう。夫婦といえども以心伝心は不可能です。言わなければ伝わらないことばかりなので、その都度本音を共有する習慣が大切です。特に恋愛感情という潤滑油がない関係だからこそ、一度すれ違うと修復が難しくなります。意図的に話し合いの場を設けて気持ちを伝え合うことで、小さな不満の芽を早めに摘み取りましょう。
  • 結婚前・新婚時に生活設計を徹底的にすり合わせる: 価値観のズレによる衝突を減らすために、事前に細かいことまで取り決めておくことは効果的です。例えば「同居か別居」「家事の分担」「お金の管理方法」「子どもを持つかどうか・方法はどうするか」など、生活に関わる項目を一つ一つ話し合っておくと安心です。実際、友情結婚の相談所ではこうした項目を網羅した話し合いシートを使っているところもあり、細部まで擦り合わせができれば離婚率も低く抑えられそうだとされています。
  • 感じた不満は溜め込まず、本音で伝える: 「言わなくても分かってくれるだろう」は禁物です。譲れないことや引っかかっていることは我慢せず素直に話すようにしましょう。遠慮して不満を抱え込んでも、後で爆発しては手遅れです。幸せな家庭を築いた友情結婚カップルも「我慢しないでとことん話し合うことが大事」と口を揃えています。
  • お互いの価値観を尊重し合う: 恋愛感情がなくてもパートナーへのリスペクトは何より重要です。考え方や習慣の違いに直面したとき、頭ごなしに否定するのではなく「そういう考え方もあるよね」と受け入れる姿勢を持ちましょう。相手の立場に立って思いやる気持ちが絆を深め、「友情」という土台を強固にしてくれます。お互い様の精神で、自分だけでなく相手も何かしら妥協や我慢をしてくれていることを忘れないようにすると良いでしょう。
  • 決めたルールや約束事はきちんと守る: 友情結婚では事前に色々な取り決め(ルール)をすることが多いはずです。例えば外部の恋人との付き合い方や秘密にする範囲、家計の分担など、二人で合意したルールは信頼の証でもあります。これを一方が破ってしまうと一気に信頼が崩れてしまうので、取り決めた約束事はお互い責任を持って守りましょう。ルールに沿って定期的に状況を確認し合うのもいいですね。
  • 過度な期待をしない: 結婚に夢を見すぎると現実とのギャップに失望しやすいのは恋愛結婚でも友情結婚でも同じです。最初から「完璧な結婚生活」を期待しすぎず、良い意味で力を抜いて構えましょう。友情結婚は「こうあるべき」という固定観念が少ない分、二人らしいスタイルを模索できます。結婚そのものをゴールにせず、結婚後も二人でより良い関係を作っていく姿勢が大切です。
  • 問題が起きても二人で解決策を探す: 価値観のズレやトラブルが生じても、すぐに投げやりになったり「あぁもうダメだ…」と諦める必要はありません。お互いにとって納得できる着地点を一緒に見つける努力をしましょう。話し合いを重ねれば意外な打開策が見えてくることもあります。「ぶつかったら都度リセットして関係終了」ではなく、二人の関係を良くするプロジェクトだと思って協力する姿勢が友情結婚成功の秘訣です。

以上、友情結婚を円満に続けるためのポイントを挙げました。どれも基本的なことですが、「基本こそ大事」ですよね。実際、誰かと100%希望や条件が一致することはあり得ませんし、お互い様で歩み寄ることが肝心だと心得ておくだけでも違うはずです。恋愛感情がなくとも二人三脚で人生を歩むパートナーには変わりありませんから、コミュニケーションと思いやりで自分たちなりの幸せな形を築いていってくださいね

そして何より、「友情結婚だから失敗したら大変そう…」と不安に思いすぎる必要はありません。離婚そのものは悪ではなく、もしもの時は第二の人生を選ぶこともできます。大切なのは、お互いが納得できる関係であること。友情結婚も普通の結婚と同じく、二人の工夫次第でいくらでもハッピーになれる選択肢です。

今回紹介した離婚率や理由、防止策の情報が、友情結婚を考える皆さんの参考になれば幸いです。

一緒に自分たちらしい幸せを追求していきましょう!

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