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【それぞれの終わり始まり】ケース1:4ヶ月で離婚に至った友情結婚の話

MITRA運営チームによる実話ケーススタディ「それぞれの終わり始まり」シリーズ。

今回は、友情結婚を選んだふたりが、わずか4ヶ月で離婚調停に至るまでの話です。

※プライバシー保護のため、一部の情報は変更しています。

出会い——「家族をつくりたい」という共通の願い

ユウトさん(仮名・30代・ゲイ)とミキさん(仮名・20代・アセクシャル)は、ある掲示板で出会いました。

ふたりには共通点がありました。

どちらも恋愛関係は望んでいないけれど、「家族」という形はほしいと思っていたこと。

ユウトさんは職場でのプレッシャーもあり、「結婚しないの?」という周囲の声に疲れていました。ミキさんは親からの「早く結婚しなさい」という圧力を感じていました。

「一緒に暮らして、支え合えるパートナーがいればいい」

そう思ったふたりは、友情結婚という選択をしました。

出会いから結婚まで、約半年。

お互いに「この人となら」と感じていたはずでした。

ズレは、小さなところから始まった

結婚生活が始まって最初の1ヶ月は、うまくいっているように見えました。

でも、少しずつ認識の違いが表面化していきます。

ユウトさんは、「外での関係」——つまり、結婚相手以外との交際は許容されるものだと考えていました。ゲイとして生きてきた彼にとって、男性との関係を維持することは自然なことでした。

一方、ミキさんにとって、それは「浮気」でした。

たとえ性愛がベースではない友情結婚でも、パートナー以外との親密な関係は受け入れられない。それがミキさんの考えでした。

"自由"と"裏切り"。同じ行為を指しているのに、ふたりの定義はまったく違っていたのです。

「そんなの最初に言ってくれればよかったのに」

「いや、言わなくてもわかると思ってた」

このすれ違いが、ふたりの間に深い亀裂を生み始めます。

話し合いを避けた代償

実は、このズレは結婚前に確認できたはずでした。

友情結婚を考える上で話し合うべき項目には、こんなものがあります。

  • パートナー以外との関係はどこまで許容するか
  • 同居のルール(生活費、家事分担、プライベート空間)
  • 子どもについての考え
  • 将来設計(住む場所、仕事、老後)
  • カミングアウトの範囲(家族、職場、友人への説明)

ユウトさんとミキさんは、これらの話し合いを「なんとなく」で済ませてしまっていました。

「細かいことは住み始めてから決めればいい」

その考えが、後に取り返しのつかない問題を引き起こすことになります。

家族の介入——問題はさらに複雑に

状況を悪化させたのは、ミキさんの両親の介入でした。

ミキさんはご両親に「普通の結婚」として説明していました。友情結婚であること、ユウトさんがゲイであることは伝えていませんでした。

しかし、ふたりの関係がぎくしゃくし始めると、ミキさんは実家に相談するようになります。

ご両親はアセクシャルや同性愛についてあまり理解がなく、事情を知るにつれて「なぜそんな相手と結婚したのか」という態度を隠さなくなりました。

「騙されたんじゃないのか」

「早く別れた方がいい」

ユウトさんへの風当たりは日に日に強くなり、彼の精神的な負担は限界に近づいていきます。

友情結婚では、家族への説明をどうするかも重要な課題です。

ふたりはこの点についても、事前に十分な話し合いをしていませんでした。

結婚から4ヶ月——離婚調停へ

結局、ふたりは離婚調停を選びました。

結婚からわずか4ヶ月後のことです。

調停の場でも、責めるような言葉が続いたそうです。

「家族をつくりたい」という同じ願いを持っていたはずのふたり。

でも、その「家族」の中身が違っていた。

そして、その違いに気づいたときには、もう遅かった——。

この話から学べること

友情結婚は、恋愛感情という"曖昧な接着剤"がない分、合意と言語化がとても大切です。

むしろ、恋愛結婚以上に話し合いが必要だと言ってもいいでしょう。確認すべき価値観については「友情結婚でパートナー探し:大切にしたい価値観とは」で詳しく解説しています。

結婚前に確認すべきこと

  1. 「自由」の定義 — パートナー以外との関係はどこまでOKか
  2. 「共有」の範囲 — 生活費、住居、時間、情報の共有ルール
  3. 「許せること」と「許せないこと」 — 価値観の違いを明確に
  4. 家族への説明 — カミングアウトするか、どう説明するか
  5. 将来設計 — 子ども、住居、仕事、老後のビジョン

婚前契約書のすすめ

これらを結婚前に話し合い、できれば婚前契約書として明文化しておくことを強くおすすめします。

「契約書なんて大げさ」と思うかもしれません。

でも、友情結婚は契約に近い性質を持っています。お互いの期待値を文書化しておくことで、後々のトラブルを防げます。

「言わなくてもわかる」は通用しない

「言わなくてもわかる」は、友情結婚では通用しません。

恋愛関係であれば、「好き」という感情が多少のズレを吸収してくれることもあります。

でも友情結婚では、感情ではなく合意がベースです。

曖昧なまま進めてしまうと、お互いの認識のズレが取り返しのつかない問題に発展してしまいます。


おわりに

ユウトさんとミキさんの話は、決して珍しいケースではありません。

友情結婚を考えている方には、「話し合いすぎ」くらいがちょうどいいと伝えたいです。成功のコツは「実際に友情結婚した人が語る、MITRAで出会って結婚するまでのリアルな話」も参考にしてください。

面倒に感じるかもしれませんが、結婚後に問題が発覚するよりずっとマシです。

ふたりのその後については、また別の機会に。

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